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テクメイション通信Vol.004

おはようございます!株式会社テクメイションです。

通勤時に新入学の子供たちの声が聞こえてくる季節になりました。いつの時代も新たなスタートというのは気が引き締まるものです。皆様におかれましても新年度が素晴らしいものとなりますよう祈念いたします。

今回も流体制御をテーマにお役立ち情報をお届けします。
どうぞよろしくお願いいたします。

(本日の担当:大川原)

今回のもくじ

1.【技術情報】3種類の駆動(ロード)方式

2.【技術情報】ベントってなんですか?

3. 編集後記

3種類の駆動(ロード)方式

駆動(ロード)方式とは減圧弁の出口側圧力の設定方式のことです。

Vol.002でお話しした減圧弁の動作原理では、センサーにかかる力と上からのバネの力をバランスさせていることをご紹介しました。
今回はそれに加えて他の方式についてお話しします。

スプリングロード

バネ(スプリング)の力で出口側圧力の設定をする最も一般的な方式です。

スプリングロード

操作はハンドノブを回すことによって行います。
右に回すとスプリングが圧縮され、力がかかり、左に回すと力が弱まります。
操作のために他に機器が不要であることも大きなメリットです。

ただし、圧縮バネの特性上、圧縮始めと終わりは苦手です。フルスケール(最大調整圧力)の30〜70%の間で使うときに最高の性能を発揮します。

ドムロード

ドム室と呼ばれる部屋に駆動用ガスを供給することで出口側圧力の設定をする方式です。

ドム

バネと違い全領域で同一の特性を持っている上に、センサーに対して全面に同一の力を加えることができるため、流量の変化に強く、TESCOMでも大流量用の減圧弁ではドム式しかないモデルもあります。

駆動用ガスの配管を伸ばせばリモートで操作が可能になり、危険な環境でも圧力調整器の使用が可能です。

駆動用ガスの圧力を制御するのに別途減圧弁が必要です(パイロット減圧弁と呼びます)。
高圧を制御するには同じように高圧の駆動用ガス、減圧弁が必要になります。
プロセス流体をそのままドム圧にできる不活性ガスの場合は問題ありませんが、可燃性ガスなどでは別途窒素や圧縮空気を用意しなければなりません。

駆動エア圧力=調整圧力と考えがちですが、そうではありません。
バランス式(F=(P1-P2)s+P2S+f)から分かる通りF=P2ではなく、よくある誤解ですのでご注意ください。

バランス式については下記のリンクをご参照ください。

減圧弁の動作原理

エアロード(エアアクチュエーター)

ドムロードと同じく駆動用ガスを供給することで出口側圧力の設定をしますが、アクチュエーター式にすることで小さな圧力で駆動できるようにした方式です。

エアアクチュエーター

アクチュエーターの大きさによって、圧力調整器の圧力仕様に適した比率が決められています。(最小2.5:1から最大375:1)。
ドムロードと同じくパイロット減圧弁が必要ですが、計装エアで駆動できますのでドム式に比べると採用できる現場が多いと思われます。

エアロード式圧力調整器は単体でも便利に使えますが、PIDコントローラーと組み合わせると圧力の自動制御にも対応できます。
PIDコントローラーに関しては別の機会に詳しくご紹介しますので楽しみにお待ちください。

ベントってなんですか?

ベントというのは圧力を抜くためのバルブのことです。

減圧弁のハンドノブを右に回すと二次側の圧力が上がっていきますが、そこから左に回しても二次側の圧力は下がってくれません。流体が逃げる流路がないためです。
このような場合は二次側の配管にバルブを取り付けて圧力を逃す必要があります。

これだと不便なので減圧弁の中にはハンドノブを左に回せばそれに合わせて圧力が下がるように、もう一つオリフィスを追加しているモデルがあります。
先にご紹介したパイロット減圧弁はベント付きの減圧弁でなければいけません(圧力を下げることができなくなってしまいます)。

ベントされた流体は大気に放出されるので、液体や可燃性ガスなどでは基本的に使用できません。大気放出ではなく専用ポートに流すタイプであればそのような流体も使えますが、構造が複雑になるため価格もそれなりになりますので用途に合った減圧弁をお選びください。

編集後記

今回のメールマガジンはいかがでしたか。 

一言で減圧弁といっても駆動方法や内部構造で様々なバリエーションがあります。
単純に「圧力を制御する部品」というだけでなくその特徴や働きなどを掘り下げてみることで使用方法の幅が広がるかもしれません。

次回もよろしくお願いいたします。

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