Techmation

テクメイション通信Vol.005

おはようございます!株式会社テクメイションです。

もうすぐゴールデンウィークですね。弊社は4/29〜5/5まで休業いたします
私もこの機会に積み上がってしまった本を読破しようと思っています。

今回も流体制御をテーマにお役立ち情報をお届けします。
どうぞよろしくお願いいたします。

(本日の担当:落石)

今回のもくじ

1.【技術情報】元圧変動特性

2.【技術情報】2種類のステム

3. 編集後記

1. 設定圧力が上がってしまう?

減圧弁を操作していないのに元々の設定圧力より上がってしまうトラブルに会ったことはありませんか?

実はコレ、トラブルではないかもしれません。
「元圧変動特性」と言って、自立式減圧弁では避けられない現象です。

減圧弁は二次側の圧力を一定に保つ機能を持っていますが、残念ながらどんな条件でも一定になるというわけではありません。
一次側圧力(元圧)が変化すると、二次側にも影響が出てしまいます。

例えば、一次側に接続しているボンベ圧が使用しているうちに下がった場合、二次圧が上昇してしまいます。
感覚的には一次側圧力が低くなると二次側の圧力も低くなるように思えますが、実際には逆の現象が起こります

これは一次側の圧力が変化したことによって力のバランスが崩れたことが原因です。
弊社ホームページで詳しく説明していますのでご覧ください。

元圧変動特性とは

このように、二次側が上昇してしまった場合には、ハンドノブを回して再調整してください。
もしこれで直らないようであれば、内部リークなどのトラブルが考えられます。
担当の営業員にご連絡ください。

2. 標準型ステムとバランス型ステム

ステムはバルブやポペットとも呼ばれる減圧弁内部の金属部品です。
シートというドーナツ形状の部品と組み合わせてオリフィスの大きさをコントロールして圧力を制御しています。

減圧弁の構造を確認する

通常型ステム

通常型ステム

通常型ステムは最も一般的でシンプルなステム構造です。
ステムには一次側の圧力と小スプリングによって常にシートへ押し付け方向に力が働いているので、確実なシール性能が期待できます。

これは大きなメリットですが、高圧条件ではシートに大きな力がかかるので、オリフィスを大きくすることができません。つまり大きなCv値を確保することができません。

バランス型ステム

バランス型ステム

バランス型ステムは、ステムの中心に穴が開いており二次室側とステム下側が導通しています(青色の部分に注目してください)。
この構造によりステムの上下にかかる力は二次側の圧力のみとなり、一次側の圧力の影響を受けないことになります。

ステムにかかる力

バランス式でいうと「(P1-P2)s」という項が「(P2-P2)s」となります。
これはつまり上記で述べた元圧変動による影響を最小にできるということです。

またシートにかかる力を減らせるので、オリフィスを大きくすることができます。
このような理由からTESCOMでは大流量用の減圧弁に採用しています。

標準型ステムと比べて内部部品点数は多く複雑なため、製品本体の価格やオーバーホール費用がかさむといった傾向があります。

編集後記

今回のメールマガジンはいかがでしたか。 

バランス型ステムの説明で、一次側の影響をなくすことができると書きましたが、これは原則です。
TESCOM製品は実際には少しだけ一次側の力がかかるように作られています。シートに押し付ける力を残しておいた方が制御性が良くなるからです。
この辺りの匙加減で各メーカーの特色が出ているんですね。

次回もよろしくお願いいたします。

発行元:株式会社テクメイション 東日本営業1グループ
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