Techmation

テクメイション通信Vol.007

おはようございます!株式会社テクメイションです。

先週の東京はずいぶんと早い梅雨に入ってしまったかのような一週間でした。
このところの天候や気温は平年並みというコトバがあまり通じないようですね。

今回も流体制御をテーマにお役立ち情報をお届けします。
どうぞよろしくお願いいたします。

(本日の担当:山本)

今回のもくじ

1.【技術情報】流量特性図とは

2.【技術情報】ドループ(Droop)とは

3. 編集後記

流量特性図とは

流量計算するさいにCv値を使うということは以前に説明しましたが、それだけでは不十分です。
圧力調整器では流量が大きくなると調整圧力が変化してしまいます。
このような挙動を表したものが流量特性図です。

44-2200_流量特性図_1

上図は減圧弁(44-2200シリーズ)の流量特性図です。
縦軸に二次側圧力(設定圧力)、横軸に流量をプロットしたグラフです。
各曲線の右側に書いてある数字は一次側圧力(元圧)です。

流量特性図の読み方

44-2200_流量特性図_2

それでは流量曲線図の読み方を説明いたします。
赤く塗った曲線を抜き出しました。
元圧は1.38MPaです(単位はMPaとNL/minに変換しています)。
減圧弁の二次側にストップバルブと流量計が付いていると仮定してください。

44-2200_流量特性図_3

バルブを閉じ、流量をゼロにして二次側の圧力を上げていきます。
0.34MPaまで上げました(青い点)。

流量が226NL/minになるまでバルブを開きます。
流量曲線と226NL/min時の縦軸との交点を探します(赤い点)。

この時、グラフ上の二次側圧力(縦軸)は0.21MPaを指しています(緑の点)。
これが流量226NL/min時の調整圧力です。

つまり、流量ゼロ時に0.34MPaに設定したはずの調整圧力が、226NL/min流すと0.21MPaまで下がってしまうことを指しています。
この関係を複数の条件下で示したものが流量特性図です。

背圧弁の流量特性

ちなみに減圧弁の流量特性図は右肩下がりになりますが、背圧弁は逆に右肩上がりになります

26-1700_流量特性図_1

流量が増加する方向と減少する方向で曲線が違うのはヒステリシスのためです。
厳密にいうと減圧弁にもヒステリシスは存在するのですが、背圧弁は吹き始め・吹き止まり圧力も重要なためグラフに示してあります。

ただし、このヒステリシスは背圧弁の最大流量まで達した場合の値です。
流量が小さければヒステリシスも小さくなるので、余裕のあるCv値の製品を使うことが重要です。

ドループ(Droop)とは

流量特性図の通り、流量変化に伴い調整圧力が変化します。
この現象を「ドループ(Droop)」と呼んでいます。

なぜドループが起こるのか

圧力調整器は調整スプリングの力と二次側圧力の力がダイアフラムを境にして、上下でつりあっています。
流量ゼロの状態ではステムはシートに押し付けられて隙間はありません。

ここで出口側のバルブを少しずつ開けて、ガスを流します。
すると二次室の圧力が下がるため、調整スプリングの力が勝り、ステムを押し下げます。
ステムとシートに隙間ができて二次側への流入が生じます。

ここまではこのメルマガでお伝えした通りです。

減圧弁の動作原理を確認する

さて、このときの調整スプリングの状態に注目しましょう。
流量ゼロの状態と比べると、流れている時はダイアフラムが押し下げられているのでスプリングが伸びています。
すると当初の状態よりもスプリングの反発力が下がります。
下がった調整スプリングの反発力と二次室の圧力がつりあうため、二次側の設定圧力はより小さくなる(下がる)ことになります。

ドループを小さくするにはいくつかの方法があります。
これは次回以降でご説明したいと思います。

編集後記

今回のメールマガジンはいかがでしたか。 

流量特性図が読めると、使用条件に合ったサイズの減圧弁が選べるようになります。
Cv値による流量計算で大まかに選んだ後、流量特性図で細かく確認するのが効率の良い方法と思います。
読み方ががわからない場合は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

次回もよろしくお願いいたします。

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