Techmation

テクメイション通信Vol.010

おはようございます!株式会社テクメイションです。

今年も半分が終わりました。日々を大切にしないと後半もあっというまに過ぎていきそうです。

今回も流体制御をテーマにお役立ち情報をお届けします。
どうぞよろしくお願いいたします。

(本日の担当:井関)

今回のもくじ

1.【技術情報】接続規格いろいろ

2.【技術情報】NPTとNPTF

3. 編集後記

接続規格いろいろ

圧力調整器やバルブの出入口接続は複数規格から選択できます。
以下に代表的なものを紹介します。

NPT(アメリカ管用テーパーねじ)

NPTねじ

NPTは米国で一般的に用いられているテーパーねじです。日本ではR,Rcねじ(旧RTねじ)が一般的です。
両者はねじ山の角度やピッチが違うため互換性はありません。

通常シールテープをネジ部に巻き付けることによりシールします。
シールテープはテフロン等で作られているため、様々な流体で使用することができます。

取り付け時にシールテープの破片を配管内に混入させないように注意が必要です。
また、テフロンの特性上、200℃程度までしか使用できません。
トルク管理もシールテープの巻き数等に影響を受けるため現実的には不可能です。

欠点もありますが、汎用性が高いため、最も一般的に使われています。

SAE

SAEねじ

米国のSAE(Society of Automotive Engineers, Inc.:米国自動車技術者協会)の定めるねじ規格です。
並行ねじ(UNF)とOリングの組み合わせでシールします。
Oリングシールのため作業が容易でトルク管理も可能です。
またシールテープと比較して異物混入の危険性も低くなります。

使用できる流体や温度はOリング材質に依存します。

コーン&スレッド(High pressure, Medium pressure)

コーン&スレッド

コーン&スレッドは高温・高圧で使用できるよう設計されたメタルタッチシール接続継手です。
先端が円錐(cone)状に加工された肉厚チューブ(オス側)を同じように円錐状に加工されたメス側に押し込むことでシールする接続形式です。
チューブ円錐加工部根元に逆ねじが切られており、そこにカラーと呼ばれるコマとそれを押すためのグランドと呼ばれる部品を使用してチューブをメス側に押し込みます。

カラーとグランドの形状によりHigh pressure(HP、AMINCO)とMedium pressure(MP、Slim-Line)の2つがあります。
HPは60,000psi(413MPa)、MPは20,000psi(137MPa)まで使用可能です。

メタルタッチシールのため、金属部品以外のシール部材を必要とせず、高温・高圧で使用可能です。
また異物混入の危険性も低いです。

厚肉チューブを使用しているため、容易に曲げることはできません。
またコーン&スレッド加工の専用工具が必要です。

TESCOMの圧力調整器はボディ側にHP,MP規格のメスねじが切ってあるモデルがあります。
変換継手を付けることなく直接HP,MPチューブを接続可能です。

メタルガスケット式

HPICポート

SwagelokのVCR、フジキンのUJR、キッツSCTのCVCが有名です。
メタルガスケットを2つの凸型のシール構造の間に挟み込んでシールをする継手です。
非常に気密性が高く、またねじが内部流体に触れないため高い清浄度を要求される装置に使用されます。

配管同士の接続は溶接しなければなりません。

TESCOMの圧力調整器は溶接継手以外にも、ボディ側にメス互換のポートが彫り込んであるHPIC (High Purity Internal Connection)という接続を用意しています。

NPTとNPTF

TESCOMのカタログ中にNPTではなくNPTFと書かれている製品があります。
これはNPT(F:メス)という意味ではなくNPTFという規格です。

現行のTESCOM製品の出入口接続(テーパーねじ)はすべてNPTFです。
カタログの修正が追いついておらず、NPTとNPTFが混在してしまっています。

NPTは通常のテーパーねじ、NPTFはドライシールも可能なテーパーねじ規格です。
非常に大雑把に言うと、オスねじの山の先端が尖っていて、メスねじの谷に接触することでメタルシールしています。
NPTFはNPTの上位規格のようなイメージです。

オスとメスをどちらもNPTFにした場合のみシールテープを使わずにドライシールが可能になります。
メスのNPTF(圧力調整器側)にNPTのオスをねじ込む場合はシールテープを巻かないといけません。
これはNPT同士と同じ使い方です。

つまりNPTのオスねじを使っている限りはメス側はどちらの規格も大丈夫です。
ちなみに日本ではNPTFのオスねじはほとんど流通していないと思います。

実用上問題が無いことからカタログの更新が遅々として進んでいないのが現状です。

編集後記

今回のメールマガジンはいかがでしたか。

ガス設備の事故は接続部に起因するものが多いといわれています。
装置の安全性に大きく関わってくる部分となりますので、遠慮なくご相談ください。

次回もよろしくお願いいたします。

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