Techmation

テクメイション通信Vol.018

おはようございます!株式会社テクメイションです。

今週は高圧ガス保安活動促進週間です(10月23日から10月29日まで)。
ちなみに今年度のキャッチコピーは「点検に不要不急の文字は無し」とのことです。
確かにその通りですね。保安意識を高めていきましょう。

今回も流体制御をテーマにお役立ち情報をお届けします。
どうぞよろしくお願いいたします。

(本日の担当:井関)

これまでバックナンバーはこちらからご覧になれます。

テクメイション通信バックナンバー

今回のもくじ

1.【製品紹介】26-1000減圧弁の内部を見てみる

2.【技術情報】ベント機能って何ですか?

3. 編集後記

26-1000減圧弁の内部を見てみる

本日は4つのカテゴリのひとつ、26-1000シリーズをご紹介します。

26-1000正面写真

ピストン式センサーを採用し、通常は出入り口ともに最大10,000psi(68.9MPa)、オプションで20,000psi(137MPa)まで使えるモデルもご用意しています。
Cv値は標準0.06、オプションで微調整用に0.02、大流量用に0.12とバランスステム型で0.3のモデルがあります。
出入口接続はNPTをはじめSAE、コーン&スレッドHP、コーン&スレッドMP。サイズは1/8"、1/4"、3/8"、1/2"です。
Oリングやシート材質を変更することでほとんどの流体の使用が可能です。
標準でベント機能付きです。オプションでベント機能なしモデルやキャプチャーベントモデルも選択できます。

26-1000シリーズはTESCOMのフラッグシップモデルであり、それにふさわしい高機能減圧弁です。

それでは内部をご覧に入れます。
今回は断面図を見ていただいたほうが分かりやすいと思います。

26-1000(ベント)の断面図を見る

【205】ハンドノブを外しました。

26-1000分解_01

【201】ボンネットの横に空いている縦穴は何かというご質問をよくいただきます。この縦穴と【203】のイモネジとの組み合わせで【206】スクリューアジャストの共周りを防止しています。

【201】ボンネットを外しました。

26-1000分解_02

以前にご紹介した26-1700シリーズとそっくりです。
同じ超高圧用圧力調整器として、ロード部分はなるべく同じ部品を使っています。

【206】アジャストスクリューを取り出してみました。

26-1000分解_03
26-1000分解_04

左側の黒っぽい円筒状の部品が【202】ボールベアリング、右の凸型の部品とボルトの組み合わせがアジャストスクリューです。

26-1000分解_05

今回ご紹介しているモデルはベント機能が付いていますのでスクリューアジャストの中心に穴が開いています。ここは26-1700と違いますね。
マイナスドライバーで【212】の部品を回すことでベントの効き具合を調整することができます。

真鍮製の凸型部品に切ってあるネジ穴にイモネジが取り付けられていました。
スクリューと異なる材料にすることでカジりを防止しています。

【101】センサー部分を取り出しました。

26-1000分解_06

背圧弁とメインステムの方向が違うのでステムは飛び出していません。
中心に小さな穴が開いているのが分かると思います。
このモデルはベント付きなので、ここから流体を逃がします。

センサーの中はこのようになっています。

26-1000分解_07

中にもうひとつ【111】シートと【112】ステムの組み合わせが隠れていて、目的の圧力よりも高くなった場合、その圧力をベントから逃がします。

【152】バルブボディを取り出しました。

26-1000分解_08

右がバルブボディ、左がセンサーの動きを【153】ステムに伝える【004】コネクターです。
お客様オーバーホールを行なう場合、このユニットを交換すれば手間も時間もはぶけます。
予備でこのユニットを持っていただいているお客様も多くいらっしゃいます。

バルブボディを分解しました。

26-1000分解_09

【156】シート、【153】ステムなど、複雑ではありますが、減圧弁の動作原理で示した構成要素と変わらないことが分かると思います。

減圧弁の動作原理を見る

ベント機能ってなんですか?

減圧弁の流体の流れ方向は、基本的には一次側から二次側への一方通行です。
そのため、下図のように二次側が閉止されていると現在の調整圧力(二次圧)から下げることはできません。

ベントなしフロー_1

二次側圧力を下げるには、もうひとつバルブを追加して目標の圧力に下がるまでバルブを操作するしかありません。

ベントなしフロー_2

ただし設定圧力より二次側が下がってしまうので減圧弁からどんどん圧力が供給されます。
ということは減圧弁も同時に操作する必要があるのです。
これは大変です。

そこで減圧方向にも対応させたのがベント機能付き減圧弁です。

ベントの構造
大きな図はこちら

センサーの内部にもうひとつステムとシートを組み込んでいます。
ベントロッドの位置は固定されています。

  1. ロードスプリングの力(設定圧)が二次側圧力より強いため、センサーは下方向に動き、流体が二次側に流入します(左側昇圧時)。
  2. ロードスプリングの力と二次側圧力が釣り合うとメインのステムが閉じます(中央均衡時)。
  3. ハンドノブを反時計回りに回すとロードスプリングの力が弱まり、二次側圧力の方が強くなるため、センサーが押し上げられます。ベントロッドにベントステムが押され、流体が外部に放出されます(右側ベント時)。

ベントされた流体は基本的には外部に放出されるため、不活性ガスでないと使えません。
可燃性や毒性ガスでベント機能を使いたい場合は流体を外に逃がさず専用配管に流せるキャプチャーベントという機能を持つ減圧弁をお選びください。

編集後記

今回のメールマガジンはいかがでしたか。 

今回ご紹介した26-1000シリーズのようなベントの具合を調整できるモデルでは、ベントロッドの操作でベント機能を無効にすることも可能です。
外部リークした際に、原因の切り分けができるので便利な機能です。

次回もよろしくお願いいたします。

発行元:株式会社テクメイション 東日本営業1グループ
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