Techmation

テクメイション通信Vol.024

おはようございます!株式会社テクメイションです。

早いものであっという間に今年も1ヶ月が経とうとしています。

皆様、今年の目標は立てられましたでしょうか。私は挫折してしまうことも多いのですが、年初目標が達成困難な理由の一つに現在バイアスというものがあるそうです。要は目先の利益・状況を優先して本当に大切なことを先延ばししてしまうのだそうです。1ヶ月が早く感じられるのもその表れかもしれません。一日一日を大切にしていきたいものです。

今回も流体制御をテーマにお役立ち情報をお届けします。
どうぞよろしくお願いいたします。

(本日の担当:大川原)

これまでバックナンバーはこちらからご覧になれます。

テクメイション通信バックナンバー

今回のもくじ

1.【技術情報】絶対圧(負圧)を調整する

2. 編集後記

絶対圧(負圧)を調整する

今回は負圧も制御できる圧力調整器をご紹介いたします。
システムを設計する上で負圧(大気圧力未満の圧力)制御が必要な場合も出てくるかと思います。例えば、

  • 原料ガスが他の物質と反応性が高く、チャンバー内を予め高真空にしたい
  • 原料物質の蒸気圧力が非常に低く、安定供給のためにチャンバー内を低圧(負圧)にしたい
  • 宇宙空間を模擬した実験のため反応場を絶対圧力で制御したい

などのケースが考えられますが、このような場合に適用できるのが絶対圧用圧力調整器です。

例えば以下のような装置を考えてみましょう。

負圧制御フロー

まず反応の元となる原料タンクがあり、その下流に圧力を制御する減圧弁、さらに下流に実際の反応の場であるチャンバー(WORK)を設置します。なおチャンバー内を負圧にするため減圧弁下流は分岐して真空ポンプを接続します。

この時通常の減圧弁を使用するとどうなるでしょうか。
真空ポンプで引いた途端にハンドルフリーの状態でも流路が開き、一次側の流体が二次側に流入してしまいます。もちろん圧力制御など出来ません。

なぜこのようになってしまうのでしょうか?

通常の減圧弁では二次側の圧力とバネの負荷がダイヤフラムを介してバランスしています。
減圧弁を操作していない状態(ハンドルフリー)ではロードスプリングの負荷はゼロのように見えますが、実際は大気圧力でダイヤフラムは常に押されています。

大気圧で押される

ロードスプリングが無くても、大気圧(オレンジ色の矢印)の力がかかっています。

この時、ダイヤフラムの下側(二次室)も大気圧力であれば上下の力はバランスします。
つまり負荷がかかっていないのではなく、上下から大気圧力で押されていてバランスしているという状態です。
よって真空ポンプで二次側を負圧にしてしまうとダイヤフラムが大気圧で押し下げられてしまい流路が開いてしまうのです。

一方、絶対圧力用減圧弁ではハンドルフリーの状態では二次側から真空ポンプで引っ張ってもガスが二次側に流れることは無く、通常の減圧弁のようにハンドル操作で圧力を制御することができます。

絶対圧用減圧弁ではダイヤフラムの下部にバイアススプリングというものが入っています。

絶対圧圧力調整器_バイアススプリング

このバネが大気圧力を支える構造となるので二次側を負圧にしても流路は開きません。ここで初めて通常減圧弁のハンドルフリーの状態が作られることになります。あとは通常の減圧弁のように、バンドルを操作して二次側の圧力を調整することができます。

なお絶対圧用調整器は減圧弁だけでなく背圧弁もあります。
同じようにダイヤフラムの下部にスプリングが入っている構造です。

どうしても正圧の制御が一般的で、絶対圧力用調整器はマイナーな感じがしますが意外と活躍の場は有るものです。
負圧のシステムをご検討の際はぜひ一度ご相談ください。

編集後記

今回のメールマガジンはいかがでしたか。 

絶対圧用圧力調整器は少し構造が複雑で高価な点が欠点ですが、ハンドルフリーの状態が0MPaGではないと考えると、負圧制御だけで無く正圧の微圧制御にも適しています。

次回もよろしくお願いいたします。

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