テクメイションが送るお役立ち流体制御情報Vol.032です。
テクメイション通信Vol.032
おはようございます!株式会社テクメイションです。
徐々に雨の日が多くなり梅雨が近づいてきた気がします。今年の関東甲信越地方の梅雨入りは6月上旬の見込みだそうです。ちなみに梅雨の前後には5日間程度の移行期間があり、気象庁ではその中間日を「梅雨入り」「梅雨明け」と設定しているそうです。ただ連続的に変化する気象という性質上、「この日!」と断定することが難しく、決定した後でも必ず「〇月△日"ごろ"」と記載する決まりになっているそうです。
今回も流体制御をテーマにお役立ち情報をお届けします。 どうぞよろしくお願いいたします。
これまでバックナンバーはこちらからご覧になれます。
1.【技術情報】ER5000の電磁弁を分解してみる
2. 編集後記
一部の方に好評な分解シリーズですが、今回はER5000の電磁弁を分解してみます。今回は特にマニアックです。
今回の分解はテクメイションが独自に行なったものです。これから述べることはメーカーの公式見解ではないことをご了承ください。
TESCOM社製PIDコントローラーER5000には計装圧をコントロールするために電磁弁が二つ使われています。この電磁弁はClippard Valves社の製品が使われていてTESCOMの内製品ではありません。
Clippard Valves社のカタログから当該電磁弁の断面図をご用意しました。 部品番号は弊社が独自につけています。
こちらがその電磁弁です。
上を向かせました。先ほどの断面図とは上下逆になっています。
③と④の部品はかしめてあり、このままでは分解できません。 上の写真はすでにリューターでかしめ部を削ってあります。 つまりこの電磁弁は修理することは考えられていない、ということです。
④を取り外しました。④の中心に小さな穴が見えますが、ここがINLETです。その脇にも穴があり、ここがOUTLETになります。
⑥を取りだしました。この部品は素材は不明ですが磁石にくっつく金属でできており、電磁石により上下に動くようにできています。中心の黒い部分はゴムでできており、シートの役目も兼ねています。
続けて⑦を取りだしました。断面図をよく見ると分かるのですが、⑦と④に挟まれた⑥は既に上方向に変形しています。黒いゴムシートと④は接しています。つまりノーマルクローズです。 電磁石に通電するとさらに⑥が上に引っ張られバルブがオープンします。
①のハウジングから残りの部品を取りだしました。 左から⑤②③です。
②が電磁石ユニットのようです。これ以上は分解できませんでした。 ③は断面図では真ん中に穴が開いていてM5ねじのポートが付いていますが、上の写真を見て分かる通りER5000に使われているモデルにはその機能は無いようです。
③の部品をよく見ると、⑥と接する部分が削れています。 今回の電磁弁は調圧不能になったER5000から取り外したものなのですが、どうやらこれが原因のようです。
ちなみにカタログスペックでは1億5千万サイクルで寿命となっています。 この損傷はその根拠のひとつなのかもしれません。
残念ながらER5000には電磁弁の開閉をカウントする機能がないので、交換時期を知ることができません。 代わりにといってはなんですが、経験的に使える方法があります。
これは弊社がER5000を出荷するときに排気側のポートに付けている樹脂製の消音器です。
左側が新品で、右側が今回のER5000に付いていたものです。 見ての通り、茶色くなっています。
これは樹脂が変色したわけではなく、削れた③の粉が消音器に捕集され、それが錆びて変色したもののようなのです。
これくらいの色が付くと、そろそろ怪しいな、という感じです。
絶対的なものではありませんが、ひとつの目安としてお使いください。
今回のメールマガジンはいかがでしたか。
一言で「電磁弁の不具合」といっても内部状況を知るのと知らないのとでは雲泥の差があります。弊社では不具合が生じた後の対応はもちろんのこと、その原因究明にも力を入れることがお客様へのより良いサービスの提供へ繋がると考えております。
ご使用中のお客様も今後購入をご検討のお客様も、些細なことでも結構です。疑問などございましたら弊社担当者までお問合せください。
次回もよろしくお願いいたします。
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